ハノイのバスは難しい

初めてバスに乗ってみた。

前のドアから入り
一番前の席に座っていた車掌さんに
お金を払おうとあたふた。

「座れや！ngồi đi！」と一喝される。

その車掌さん↓


３，０００ドン（約２１円）を支払い
乗車券をもらう。
学生なんかは定期（月５６０円くらい）を
持っているようだ。

実は降りる場所をいまいち把握しておらず
アナウンスなんてなにもないので
（見慣れた風景が出てきたら降りよう）
と、窓の外の景色を凝視。
しかし、このバス。
前方の窓以外は、砂埃で真っ白。
すごく見にくい。

で、お約束の降りそびれ。
住所が「ドンダー地区」に変わったのを見て
（あれ？これはさすがにおかしい）と気づく。
線路を挟んで向こう側に来てしまった。。。

車掌さんも私がなかなか降りないので
不審に思ったのか
「どこで降りるんだ？」と聞いてきた。
「BACH KHOAです」
「とっくに過ぎたよ。過ぎまくり」と運転手と爆笑。
そして、またもやお約束の質問攻め。

「遊びなのか？急いでないんだったら
乗っとけ、乗っとけ」
確かに急いでなかったので市内観光兼ねて
ぼんやりバスに揺られていた。
そのうち気持ちよくなっちゃってうつらうつら
していたら、気づくと乗客は私一人。
終点のバスターミナルに着いていた。

乗ってきた３５番のバス↑

「降りるぞ」と車掌さんに手招きされ
路上でお茶をおごってもらう。
ひまわりの種でお茶しながら
「旦那と離れて暮らして寂しくないか？」

再びバスに乗って、同じ道を走る。
おかげで道を大分覚えた。
最初は無愛想だと思った車掌さんも
道の名前をいちいち教えてくれる。
途中からバスが混んできて人でいっぱいになった。
車掌さんも「早く乗れ！nhanh đi！」と声をかけ
運転手さんは最後の一人が乗るか乗らないかで
バスを走らせる。

混んだバスではスリに気をつけましょう。
友達のベトナム人が尻にはさんだ財布を
盗られました。
（なんだ。地元民でもスリにあうんだ〜）と
その話を聞いて思ったけど、
観光客オンリー相手に仕事（？）してたら
そらスリも生活していけないや〜ね。

その混み混みのバスにじいさんが乗ってきた。
一番前に乗っていた私は席を代わろうと
腰を浮かす。その私を車掌さんが手で制し、
私のすぐ後ろに座っていた中学生の少女を
「おら！おめえ立て！じいさんに席を
ゆずるんだよ」と立たせ
じいさんはダダ混みのバスの中、人の波に
揉まれ、バケツリレーのようにその席に
運ばれて行った。
「目下のものが目上を立てて譲る」っていう
ベトナムの精神を目の当たりにした。

「BACH KHOA」に着くと車掌さんは
「おら、ここだぞ」と声をかけてくれた。

車で１５分くらいのところを２時間かかったが
不思議と時間が惜しいとは思わなかった。
疲れたけどね。

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