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正直、貧しいと思った。この子たちなんて
「新宿駅の地下に住むおじさん」を彷彿とさせる
匂いを発している。
洗濯はもちろん、風呂もほとんど入ってないだろう。
かわいそうとかなにかしてあげたいとか
中途半端な同情はできなかった。
彼らを見て、自分は恵まれてるなと思う事もない。
例えば、失恋したりリストラされたりして
「不幸だ。。もう死んでしまいたい」と強く
思ったとして、そんな時に
「裕福な国に生まれて、そこそこ恵まれた暮らしを
してる中で、失恋ごときでこの世で一番不幸
みたいな顔をするな!」と言われても困る。
不幸は外から見えるものじゃなくて
自分の内にあるものだから。
だから、貧しくても自分を決して不幸だとは
思ってないかもしれない人たちに同情するなんて
間違ってるのかなと思ったりして。
そんなことを考えだしたら、頭がぐるぐるして
サパから戻った直後は「幸せってなんだ?」
とか一人で考え込んでしまった。
そんな中、ラムとキエンは1週間に一度は
メールや電話をくれる。
水曜・木曜は客があまり来なくて暇らしい。
ラムは「ごはんちゃんと食べてる?」とか
「pistaいないと元気出ねえよ」とか
かわいいことを言ってくれる。
キエンは。。。
「あいしてる」とか
「俺の人生を全て捧げるよ」
とか、ちょっと怖いことを言ってくれる。
そしてさっきキエンが電話をしてきて
「今、日本人と飲んでるから、話して」
?困惑していると、同じく困惑気味の女性が
「あの。。日本人の友達がいるからって言われて」
と自己紹介をしてきた。軽く話してキエンに
かわる。キエンの後ろに彼女と日本人男性の声。
「日本人だったよ。。。彼女かな?」
違いますよ〜!?田中さん!(仮名)
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昼過ぎにはホテルに戻り、サパの町を
お土産を求めてさまよい歩く私たち。
結局なにも買えずにホテルに戻ろうとしたら
pista!と誰かに呼ばれた。
キエンが路上で友達とお茶してた。
どうやらオフだったらしい。
キエンと別れた後、ラムと二人で飲んだ事を
話すと、どうして誘わねえんだとむくれる。
ラムが実は独身だったのも聞いたよというと
本当に結婚してると言い張るキエン。
全く。。。誰が本当のことを言ってるのか
わからない☆
夕方ホテルのバスに乗り込んでラオカイ駅に向かう。
列車の切符もないし、何時の列車か聞いても
誰もわからない。
駅の向かいにあるレストランで降ろされ
そこで1時間くらい待たされる。
待っている間、ラムから電話がかかってきた。
「pista、どこにいるんだ?」
どこにいるもなにも駅でしょう???
「お前、もう一日いるっていったじゃん!
嘘ついたな!」
。。。そんなこと言ってませんが?
「お前こそ嘘つきやんけ!本当は
結婚してるってキエンが言うとったで!」と
反撃すると、否定する。
まあどうでもいいや。電話くれたし。
「またハノイで遊ぼうね」と電話を切った。
そうこうしてるとホテルの男の子が
走って来て「15分後に出発だ!早くしろ!」
と切符を渡してきた。
どうやら今切符を買って来たようだ。
(なんて適当な。。。)
また夜行列車に揺られてハノイに戻る。
極寒だけどなんか熱いサパの旅だった。
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10時位に一斉に教会近くの街頭が消えた。
まず、キエンを家に送り、ラムと二人で
湖の周りを家へと歩く。
前日の霧はどこへいったのか
星座がわかんないくらいのたくさんの星。
「うわー!すっっっごく、きれい!!!
xúc động quá(超、感動!)」
と言ったら、
「スッ ドンは人になにかしてもらって
感動した時なんかに使うんだよ。
星がきれいだって言いたいなら。。。
tuyệt vời(素晴らしい)を使いなさいね」
まるでお父さんみたいな口調にほわっとする。
「さすが、ラムは子供がいるから、話し方が
お父さんみたいだね」
ラムは奥さんと子供がハノイ近くに
住んでいて、お互いの仕事があるので
今は離ればなれに暮らしていると聞いていた。
「。。。pistaはなんでぼくが結婚してるって
信じたの?結婚なんてしてないよ」
「え。だって、ラムもキエンもそう言って。。」
「冗談だよ、冗談」
絶句。私がラムに感じたお父さんらしさとか
既婚者の余裕って一体。。。
「ねえpista、旦那さんがいなくて
寂しい気持ち、ちょっとは和らいだ?」
「余計に寂しくなったよ〜!
この星空を見せてあげたい!って思う。」
「よし、見せよう」
と、ラムは私のカメラを奪って、星空を写真に
収めようとするが、真っ暗な空しか写らない。
いつかまた夫とサパに来ようと思った。
もうちょっと飲んで帰るかと
別の屋台で飲みなおす。
ラムは「前につきあった彼女に
浮気されて別れた!それから女が信用できん!」
と、ぼやきはじめる。
それもどこまで本当かわからんが。
街頭がほとんど消えた頃、
「すっげぇぇぇぇさみぃぃぃぃぃ!!」
とはしゃぎながら、ラムと二人、肩を組んで帰った。
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