2011/02/25

お出ましになられました


(前回からのつづき)

しつこくつづいちゃってる出産シーン。
(まだ「出産」に辿り着いてないけど)


じわじわお腹が痛くなってきたものの
生理痛のものすごい時に比べたら
全然余裕ってなくらいの時に
車輪付きベッドで分娩室に連れて行かれた。

どうやら、結構開いてきたらしい。
※子宮口が10cmになったら全開。
「いつでもどうぞ」な状態らしい。



でも、白衣着用を命じられた夫を
撮影する余裕もまだあり。
おまけに看護士さんが「開き具合」を
診にやってきても、
(そんなにちょこちょこ様子見するなよ。
何度もいじられる方が痛いんだよ。)
ってな気持ちになっちゃってて


「まだだから」
と。


今、冷静に考えると生意気でした。
素人の初産婦になにがわかるんじゃ、と。
普段は大人しくて従順な私ですが
出産を控えて興奮していたんでしょうなぁ。
自分が人間である前に動物であることを
思い出しちゃってたんでしょうなぁ。。

静かに凶暴化してました。


しかしこの直後、恐ろしい速さで痛みが増し
「来ました。すみません、お願いします」状態。

すると今度は看護士が


「まだだから、我慢して」



なにそれ!?仕返し!?仕返しなの!?


全開になる前の、いい陣痛がくる前の
「いきみたいのにいきんじゃだめな時間」
いわゆる「いきみ逃し」の時間がほんときつい。
ものすごくうんこしたいのに我慢する感じ
とかいうけど、そんなもんじゃない。


妊娠中は「ヒッヒッフーでフーのときに夫が
肛門をこぶしでぐっと圧迫だってさ!」
「ふー」「ぐっ!」「ぎゃははははは」
「こら!笑ってないで練習しなきゃ!」
などと爆笑していたが、そんなのできない。


夫が一緒に「ヒッヒッフー」と言ってくれたが
「。。。ごめん、やめて」と。
その低く静かな声に夫は全てを察し
冷静な実況中継にサポート方法を切り替えた。

さあ、そろそろいきんでみようかという時。
足を乗せる台がないことに気付いた。
本には「足の裏をしっかりつけてかかとで
ふんばる」などと書いてあったのだが
ふくらはぎを支える台しかなく、
自分で足首を曲げて力むしかない。
おまけにグリップがない。
本には「グリップをしっかり握り、
ボート漕ぎの要領で手前に引きましょう」と
書いてあるのに。。。
持たされたのはベッドの骨組み部分。

ふんばりにくいし、力が入らないこと、
この上ない。

で、看護士の音頭が始まる。

「はい、息吸って!
力んで力んで力んで、
もっと強く強く強く。
じょぉ〜ず、じょぉ〜ず、じょぉ〜ず」

彼女のgiỏi lắm ゾーイ ラム(とても上手)
ゾーイラム、ゾーイラム
の妙なふしまわしが気になって仕方ない。

「1回の陣痛の波の間に3回いきむ!」
と言われるも、
(なにぃ!?本には2回って書いてあった!
無理無理!絶対無理!)

いちいち本に書いてあったことが浮かぶ私。
いちいち(日本もそう!?それって標準仕様!?)
と思ってしまう私。

自分では1時間くらいきばっている気がしたが
夫いわく数10分くらい頑張ったところで
「髪の毛が見えてきた!」と実況中継が入る。
そのときの私の感想は


発露きたぁぁぁぁ!!!


であった。
※発露:赤ちゃんの頭が見えた状態になること


ちょっと、妊娠本を熟読しすぎたかも。。。


もう少しだ!もう少しきばれば出る!

と思っていたら、看護士がドクターを
呼びにいった。

そしてなにやら、吸引具を用意しだす人々。
(え!?吸うの!?
それで赤ちゃんの頭吸っちゃうの!?)

またもや不信感で一杯になる私。
(まだ全然きばってないのに、
そんな奥の手を使ってさっさと終わらす気!?)

でも、苦しくてなにも言えず
練習していた「会陰切開しないでね」も
もうどうでもよく、むしろ
(いいよ。切ってくれ。出してくれ)
という気分になってしまっている。


そんなこんなでうんうんきばっていたら。。。


出たぁぁぁぁぁぁぁぁ



ほんと、そんな感じ。
ぬろりんって下腹部からなにかが出てきた。

(終わった。。。)

看護士さんが赤ちゃんを抱えて胸に抱かせて
くれようとするも、疲れ切っていて
それどこじゃない。


イメージとしては
「こんにちは、あかちゃん♪」とにっこり
ほほえんで涙を流す私。
その傍らには私の手を握り号泣する夫。
「pista!よくがんばった!ありがとう!」
とかなんとか言いながら。

でも、実際は放心状態で
(なんかもうどうでもいいっす。
あとにしてください)って感じだった。


きれいに拭いてもらって、ビタミンKの注射と
B型肝炎の注射を射たれて
(陣痛でうなってるときに「射つか!?射つか!?」
と確認された。タイミング悪すぎだろ。。。)
戻ってきた赤子と再度対面し
初乳をやったりしている時も
(なんだこりゃ)が正直な感想だった。

ネットで知り合って、メールのやりとりで
超盛り上がってオフ会することになったんだけど
実際会ってみたらイメージと違ってた。

そんな我が子との対面でした☆

いろいろ書いちゃいましたが、
フレンチホスピタルはいい病院です。
これからハノイで出産を予定される方、
どうぞ安心して産んで下さい♪


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2011/02/12

看護士に文化の違いを見せつける妊婦


(前回からのつづき)

診察中に破水し、急に入院が決まった私は
混乱していた。
また、がっかりもしていた。
(なんか順番が違う。。。)

これは夫から言わせると
「夜中に陣痛が激しくなってタクシーで、
なんてことになったら大変だろ!
俺タクシー呼べないし!
それに家で破水しなくてよかったじゃないか!
こういうのはツイてるっていうんだ!」

(そういうのは面白みが足りないって
いうんだ!)

確かに、すごく痛いと思っても「まだ」だと
一度家に帰されるらしいから、
よかったのかもしれない☆


入院が決まり、部屋に通され
「泡立つヨードチンキ」で身体を洗い
入院着に着替える。

18時に入院が決まったので
夕飯のメニューを渡される。

運ばれてきたベトナム風洋食を食べながら
おかんと電話で話していたら
「pistaも破水から始まって入院になって
次の日の朝に生まれたわよ」
なんて言うもんだから
のんきに構えていたら、電話中に再度
じょばーっと大量破水。
うわああああああああああああああ。
rỉ nước ối!ジーィ ヌオック オイ!破水じゃあ!」
よれよれの子鹿に逆戻り。


看護士さんが飛んできて、いろんな検査を
されたあと、
「点滴して陣痛促進剤射つから」と。

陣痛には徐々に来ていただきたかったので
このとき、私は不信感全開モードに陥った。
(そんな不自然なものは射ちたくない!
陣痛、待つの!まぁつぅのぉぉぉぉぉ!!
。。。はっ!きっとここの人達は
夜中や明け方にお産が始まるよりも
さっさと済ませてしまえって魂胆なんだわ!
。。。はっ!そもそも診察中の破水も
夜中に駆け込まれるよりもいいと思って
ドクターが故意に突っついたのかもしれない!)

妄想モードも全開。


駄々をこねまくっていたら、ドクターが現れ
「赤ちゃんの安全のためよ」と言われ
あっさり承諾。

以前、海外出産経験者の方々とお食事をした際
「ここは日本とは違う。できないこともある。
自然分娩にこだわりすぎて亡くなった方もいる。
赤ちゃんと自分の安全を第一に考えて」
と言われたことを思い出したのだ。


そして点滴が始まり、陣痛を待つ。

またもや看護士さんがやってきて
「脊椎に麻酔射ちましょう」と。
(パッケージ外。別途150USD)

日本では陣痛の痛みを根性で乗り切ることが
普通だが、外国では無痛分娩が一般的らしい。
※無痛分娩といっても、全くの無痛ではなく
何割か痛みが軽減される。


もちろん、日本人の誇りでもってお断りしたら
「はぁぁぁぁ!?超痛いんだよ!?」
(外人がまたごねだしたよ。。。)と
彼女の顔には書いてある。

その後も看護士が入れ替わり立ち代わり
やってきて、説得される。
彼女たちには、痛みを取る方法があるのに
なぜ好き好んで痛みに耐えようとするのか
意味がわからないらしい。
むしろ変態だと思われたかもしれない。

つっぱね続けていたら、一人の看護士が
書類を持ってやってきて
「(麻酔をうけることに)同意しないに
丸をして、サインして」と。


そうこうしているうちにじわじわと
腹が痛くなってきた。

(またつづく)

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2011/02/04

ハノイで子持ちになりました


もう3ヶ月検診も目の前ですが、ご報告。

2010年11月9日0時52分。
ハノイフレンチホスピタルにて
無事に男の子をひりだし。。。もとい
出産しました。


え?なにか劇的なことが起こったかって?
いえいえ。普通に出産いたしましたよ。
ローカルじゃありませんし。
すみません、久しぶりのブログ更新で
手土産なしです☆


とはいえ、これから
(フレンチで出産をしようかな?)
なんて方のために、どんな様子だったのかを
ちらっとしたためておこうかと。


さて、予定日を過ぎても生まれぬ我が息子。
「生まれなかったら来て下さい」と言われた日に
お散歩気分で検診に向かう私。
※予定日を過ぎての検診は、パッケージ外で
別途70USDがかかった。


その日はモニタリング。
陣痛がきてるようなきていないような
微妙な腹具合を抱えながら
胎児の心拍と子宮収縮のグラフが機械から
吐き出されるのを
(ようわからんけど、山が小さいかも。
今夜あたりかなぁ。。。それとも明日?)
と眺めていたら、

たまに来てはグラフをチェックしていた
看護士さんが渋い顔で私の腹を両手ではさみ

「。。。寝てるわ。。。おい!この怠け者!
lười quá!ルオイ クワー!ルオイ クワー!」
(lười 怠慢な、quá とても)
とつぶやきながら、こねだした。

横に縦に激しくスライドする私の腹。

(ひいいいいいい!!!
臼の中の餅じゃねえんだから、やめてけれ!)


その後、診察室でモニタリングのグラフを
片手に不敵な笑みを浮かべたドクターが

「ふふふ。まだ生まれてないのね。。。焦る?」

内診で子宮口の開き具合を見てくれた。

と、そのとき。なにやら生暖かいものが腿に!!!
怖々股の間からドクターを見ると、
彼女は手袋をはめた血だらけの指を開き

破水した」と。


は、破水!?


即入院を告げられ、心の準備も入院準備も
してこなかった私はパニックに陥り
自らが生まれたての子鹿になったような態で
ぷるぷる震えながら、付き添いの夫に
「入院バッグ取ってきて。。。」
と頼むのであった。

(つづく)


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